知床エクスペディションDay4 「停滞」 [遠征(Expedition)]
今日は停滞。このまま化石浜で台風10号をやり過ごします。
明け方5時頃、屋根を叩くような激しい雨音で目が覚めました。ダダダダダ!!!という感じ。闇の中からゴォーっという唸り音も聞こえます。テントだったら生きた心地がしないな。。。。と思いながらヌクヌクと2度眠しました。Zzzzz
朝起きて外を見ると低く雲が垂れ込めてます。濁った海は短いピッチの波が打ち寄せ、 どことなく不気味。
しかし不思議と明るいのです。時折太陽の光が差し込みます。雲の多いエリアを抜けたのでしょうか。
うーん。渋いのぉ~。
やっぱりやることが無いので、また朝からビーチコーミング。ごみは昨日集めたので、今度は食べられるモノを探します。まずは昆布。本当は打ち上げられているものでも昆布は取ってはいけません。でも。まぁ、こんな状況ですし、自分達で食べる分くらいはいいかな、と。
なんだか得体の知れないものを見つけました。くらげ?
紫色のゼリーみたいです。見た目は旨そうですが、、、
マジ食べるんかい?おい?
こんないいものも落ちて、、、るわけなく、漁師さんにもらいました。キャンプ地の直ぐ前に定置網があり、台風でやられてないか漁船が点検に来てたのです。うちの女子部が「何が取れるんですかぁ~」と大声で話しかけたら、船から放ってくれました。(^-^)
さっそく新谷さんが捌いてくれます。
おお~!スジコだ!
身は3枚におろして、
おでこの部分はぶつ切りです。「ヒズ」というそうで、こりこりとし食感がいけます。
キャンプ地にはキタキツネが覗きにきます。こいつらはちょっとやっかい者で、食べ物を持っていったり、かじったりします。運が悪いと靴を盗まれちゃうので、要注意。姿を見たら石を投げて追い払います。
なにもしてなくても昼飯。
食後、新谷さんがカヤックの修理を始めました。KNB夫妻のダブル艇も浸水してるのです。修理する箇所は夕べのうちに焚き火で良く乾かしておいてあります。修理箇所の大きさに合わせてグラスシートを切り、シートを当てた後、FRP樹脂を塗り固めます。樹脂はペットボトルに入っていました。混合する容器もペットボトルを切ったものです。張り込んだらビニールシートをかぶせて表面を平らにしてました。
我々は濡れモノを干したり、、、
昼寝したり、、、
コーヒーを飲んだり、、、
旅の記録を付けたりします。
新谷さんと知床の地図を見て作戦会議、、、というより、色々と教えてもらいました。
台風が通過した知床にアシカの兄弟が遊びに来てくれました。芸もできます。
16時になったら新谷さんがラジオを取り出してきました。NHK第2放送の気象通報を聴いて天気図を作成するのです。その昔は山ヤさんは皆天気図を描いていたそうですが、携帯電話が普及した現代ではラジオはあまり利用されていません。もともと外洋に出ている漁船向けの放送だったのですが、漁船で聞いている人は皆無でしょう。新谷さんいわく、、「今、実用でラジオ天気図描いているのはオレくらいかもなぁ。」
カヤック始めてのAKT君に皆で漕ぎ方を指導してます。落ちてた棒を使ってフォワードストローク講習会の始まり~!
よりリアルにすべく、ミエちゃんにも参加してもらいました。ダブル艇は2人の息が合うと気持ちよく漕げるもんね。
そして、、、何もしていないのに夕飯です。
今夜はステーキとトマトシチュー。シンプルで旨い。
夜になると月も出ました。天候は確実に回復しつつあります。
天候も落ち着き、のんびりとした時間を過ごしました。
皆の前にはいつも火があり、湯の入ったヤカンが乗っています。お酒が無くても、お湯だけで満足できる。そう思えるのです。(もちろん冷たいビールがあったらそちらを選びます)
本日のコース。台風10号は朝10時に知床上空を通過。この台風が北海道日高地方に多大な被害を与えた事を我々はまだ知りませんでした。。。
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