知床エクスペディションDay3 「再び」 [遠征(Expedition)]
仕切りなおし出発。しかし台風10号が北海道に近づきつつあり、次第に天候は厳しい状況になっています。
朝一番で新谷さんがダブル艇の修理を始めました。FRPの補修キットを使ってハルの穴を塞ぎます。カヤックを修理するとこを初めて見ました。
みんな興味半分、心配半分。
朝ごはんはおにぎりで素早くすませます。
再び全ての荷物をカヤックに詰め込み再出発。
天候は思わしくありません。断続的に雨が降り、視界も悪い。皆、口数少なく淡々と出艇していきます。
そんな中、北浜番屋の人が大漁旗で見送りしてくれました。こーゆーのがとても嬉しく感じます。
AKTくん、ミエちゃん艇出発。荷物満載のダブル艇は相当な重さです。そんな時、新谷さんは「かまわず引きずりなさい。無理に持ち上げて落とすとカヤックを壊してしまう。引きずって削れるなら良い。」と言います。ゴロタ浜が多く、道の無い知床ではカヤックを壊さないことが優先なのです。
SZKペア艇出艇。
今日はAKTくんが後ろに座ります。なんか機嫌いいじゃん。昨日のことはもう忘れているみたい。 ミエちゃんも笑顔。これは強さです。
ダブル艇は全て男女のカップル艇。君達は夫婦だけどね。
フードを被って漕ぐNNBさん。冷たい雨です。
雨は断続的。手前NKMRさん。アグレッシブな女性カヤッカーです。
不安な天気の中、皆を引っ張っていく新谷さん。そしてアシスタントのミポリン。
大漁旗を持った北浜番屋の人は、車で先回りして何度も見送ってくれました。我々が出発したことを誰かが知っていてくれる。こんな些細なことがとても心強く思えます。
相泊を過ぎ、浜の番屋も次第になくなってきました。
辺りはところどころねっとりとしたガスに覆われています。
こんな時は「岸に打ち付ける波の音を頼りに進むのだ。」と新谷さんが言います。
波の音を聞きながら岸から離れないように、しぶとく進んでいきます。本当に岸から20mと離れません。岩と岩の間を縫うように漕ぎます。
2時間ほど漕いだところ、化石浜に上陸しました。まだ10時ですがここが今夜のキャンプ地です。これから来るであろう台風を、ここでやり過ごします。
いつも楽しそうなSZK夫妻。
上陸するとまずは焚き火と温かい飲み物で体を暖めます。
靴を焼いたり、、、
マシュマロを焼いたり、、、雨降っていても悪くてもそれなりに楽しんでます。
まだ台風の影響少なく、焚き火の周りで昼食の準備を始めました。
虫も食事中。短い夏です。
昼はうどん。
ミエちゃんが着ているのは漁師ガッパ。新谷さんからの借り物です。ミポリンも漁師ガッパ。寒い地方では通気性ゼロでも厚手のレインウェアが適しているそうです。ごわごわしてるから体に密着せず、防寒性が高い。
我々が着ているのは一般的なレインウェア。軽量で透湿性があります。気温が高い普通の雨ならこっちの方が快適です。
あと片付けは皆で手分け。食器や鍋は海で洗います。
そして男は狩の準備をし、、、
女は夕食の仕込みをするのであった。。。
狩りも仕込みもしないボク達はお決まりのビーチコーミングに出撃。知床だけに色々期待できます。
、、、すでに停滞モード。やることないんだよね。(^-^;)
早速ガラス球と野球ボールをゲット。
鹿のアゴの骨を発見、、、
鹿の体毛もあった。食われた跡だろうとのこと。もしまだ食べるとことが残っている死体なら、決して近づいたり触ってはいけまんせん。もしヤブの中から熊が見ていたら、獲物を横取りされると思って襲ってくる可能性があります。
ヨネはこんなカッパです。
しばらく歩いて浜の端に。遠くに見える白い建物(番屋)の前が我々のキャンプ地です。
今度は鹿の背骨を発見。浜には色々落ちてます。熊が食べた跡の可能性もあるので、常に周囲に注意を払いながら歩きます。
浜の背後は切り立ったがけになっています。何箇所か小さな沢になっているところがあり、熊はそういう場所を道にして海岸に降りてくるそうです。 特に天気が回復した後に出やすい。嵐の間はじっと身を潜めていて喉が渇きや空腹はガマンしているのです。出てきたらまずは沢の水で喉を閏わし、海岸に食べ物を探しに来るそうです。
我々の成果物を披露。色々な言葉のごみがありました。日本語、韓国語?、中国語?、その他いろいろ。。
これはクジラの背骨だそうです。 特大のマグカップみたい。
KNB妻がバランスボールを拾ってきました。イス代わりです。 他にもポリタンクなど色々なモノを集めてきました。
そろそろ夕飯の準備ですね。手間に見える黄色いグローブは極防寒用の作業グローブだそうです。新谷さんいわく「焚き火など厚いものを触るとき、濡れてる軍手はやけどをしてしまう。断熱性があるグローブがいいのだ。ゴムでも短時間なら溶けない。」そうです。 カヤックのエクスペディションでは全て濡れることを前提に考えています。
ミポリンが番屋の屋根から落ちてくる雨水を集めて飲料水にしてくれました。普通なら沢から汲むのですが、大雨で泥水が流れてます。どうしようもなければそれを使いますが、なるべく濁ってない水の方が気分がいい。
食べる時は番屋の中を食堂として使わさせてもらいました。
夜になりいよいよ風雨が強くなってきましたが、ここなら何の心配もいりません。屋根と壁があるだけで、こんなにも違うのかと、、、、今夜はこの中に寝させてもらう予定。これが暴風の中でテントを張るのだとしたら、一晩中落ち着かないでしょう。皆で集って話すことも出来ず、各テントの中でじっと辛抱するしかありません。
新谷さんが書いた小冊子「シーカヤックの基本」 です。新谷さんが書いたカラフルなイラストとともに、カヤックで海に出る時の心の構え方が書かれてます。エクスペディション終了時には、皆にコピーしてくれました。今もヨネ家にはそのコピーが大切に保管されてます。
すっかり酔っ払って、ペンライトととカメラの長時間露光を使ったライトドローイングで遊んでます。
本日のコース、、、ん?以外と進んでる?
今度知床EXに参加する者です。
お金は払いますので、新谷さんが書いた小冊子「シーカヤックの基本」をコピーして送付していただくことは可能でしょうか?
by 今度知床に参加する者です (2021-08-09 14:44)
返事が遅くなり申し訳ありません。
しばらくカヤックから遠ざかっており、自分のブログもチェックしてませんでした。
お問い合わせの件ですが、やはり新谷さんにコピーしていただくのが良いと存じます。
ご期待の沿えず申し訳ありません。
今後ともよろしくお願いします。
by yone (2022-06-19 22:08)