知床エクスペディションDay2 「出発」 [遠征(Expedition)]
今日はいよいよカヤックで出発です。
朝、少し雨降ってましたが空は明るい。朝ご飯の支度をしつつなんとなくパッキングを始めます。ミポリンはコンロをテントの内側にいれて風を除けてました。マット熔けない?
これがコーヒーのドリッパーです。10数人分を一度につくることができる豪快モン。布製でドリップし終わったら水でジャブジャブ洗います。
食事の支度は皆で手伝います。夕べ新谷さんが「ツアーですが大人数なので、我々だけで全部やるのは大変。もしよかったら、皆さんも手伝っていただけると助かります。」と言ってました。単に連れて行ってもらうツガイドツアーではなく、エクスペディションのチームなのです。
ミポリンは古いランクルに乗ってます。うーん、渋い。ボディを再塗装しており、キレイです。
片付け終わったら海岸まで歩いて移動。昨日は新谷さんのワンボックスに乗ってきましたが、車はキャンプ場にデポしてしまうので徒歩で海岸に向かいます。
荷物はNWさんが自分の車で運んでくれてました。
ミポリンが新谷さんと電話で話してます。実は予想より海況が悪く、ここから出艇するかどうか相談してるのです。雨も断続的に降っており、風も少しあります。
結局、ウトロから出艇することを諦め、半島の反対側の羅臼側から出ることに変更。
車でカヤックや荷物を運搬しますが、一度で全ての人間や荷物を運べません。2組に別れ、後発組みの我々はそのまま待機。雨が強くなってきたので海岸の小屋の中にぎゅ~詰めでしのぎました。羅臼の先までは車で1時間以上掛かります。しばらく何もすることがありません。ここでしばらくボ~と、取り留めない会話をして過ごしました。みんなちょとテンション低め。会話が盛り上がる程、まだお互いのことを知らないのです。今回のエクスペディションで学んだことの1つに。「待つ」ことがありました。
人や荷物は新谷さんのワンボックスで運べますが、約10艇のカヤックは無理です。どうするのかと思っていたら、先発していた新谷さんが4トントラックと共に戻ってきました。羅臼の知り合いに借りてきたそうです。急にこんなことが出来る新谷さんって一体何者?トラックでも10艇積むのは大変。かなり強引に積み重ねます。
ようやく全てのカヤックと荷物が羅臼側に移動したのは昼近く。
相泊の手前の北浜から出ます。ここには「北浜番屋」という山小屋のような宿泊施設があり、本来なら最終日にそこに泊る予定でした。
番屋の前の浜にカヤックを並べ、出艇準備を進めます。まずはPDF、スプレー、パドルなどの配布。カヤックの割り当て。ヨネのカヤックはオレンジ色のパフィンです。パフィンは初めてカヤックに乗った時のカヤックです。その後もツアーのレンタルで良く乗っていたので馴染みがあり安心しました。
青年AKTくんは今日が初めてのカヤックです。でも特に新谷さんからカヤックの説明は無く、ペダル調整など他の参加者がフォローしてセッティングしてました。新谷さんのツアーはいつもこんな感じ。新谷さんが連れて行くのではなく、皆で進むのです。
<余談>参加者の自己紹介もこれといって正式にはやりません。ある時のツアーでは最終日に自己紹介したそうです。
青年AKTくんとペアを組むのはミエちゃん。彼女は数回カヤックに乗ったことがあるのでスターンを担当します。
新谷さんのカヤックには大なべが縛り付けられています。カヤックツアーというより部族の移動という感じ。生活用具を積んでいくのです。しかし、焚き火で黒くなった鍋が渋いのぉ~。
SZK夫婦もダブル艇を使用。
NNBさんはショアラインです。INU君はヨネと同じパフィン。この2人は普段からシーカヤックに乗っている人達です。後ろに見えるダブル艇が傾いていますが、羅臼側もそれなりにウネリがありました。
今回、ダブルは3艇使用。最後の1艇はKNB夫妻が搭乗。
出艇場所の変更など色々苦労がありましたが海に浮いてしまえばこっちのもの。スムースに距離を稼いでいく、、、、はずでしたが、順調だと思ったその瞬間AKTくん&ミエちゃんペアのダブル艇がひっくり返っちゃった!あっちゃ~!!
新谷さんとミポリンが駆けつけますが、荷物満載のダブル艇は排水が困難。水温も低く、もたもたしてられないので、2人をダブル艇につかまらせたまま新谷さんが岸まで牽引していきます。他の参加者達は岸に先回りして上陸。
下の写真を見ると、ミエちゃんが手に何か持ってAKTくんに笑いかけてます。
<AKTくん談>「ミエちゃん落ち着いているんですよね。海に落ちたキャベツを見て「浅漬けになちゃったね。」なんて言ってるんですよぉ。」
近くの磯場まで牽引。2人は無事に這い上がることができました。ヨネが岩づたいに助けに行くと、2人とも体が凍えて歩くのも大変です。歯もガチガチなってます。軽い低体温症。
ひっくり返ったダブル艇はそのまま新谷さんが我々のいる岸まで引っ張ってきました。新谷さんは海に落ちた荷物を回収するため、再び沖に向かいます。我々がダブル艇を岸に引き上げてみると、ハルにクラックが入ってます。おそらく磯場で岩に当たったのでしょう。浸水しており、修理しないと使用不可能です。
荷物を回収した新谷さんが戻ってきてから対策会議。幸い、上陸地点の直ぐ上を車道が通っており、番屋の人が見送りにきてました。凍えている2人は体を温めるために、すぐ近くにある相泊温泉に車で急行。穴の開いたダブル艇は後で車で回収することにしました。
我々は新谷さんと共に、数時間前に出艇した北浜番屋までカヤックで戻ります。無人となったミポリンのカヤックは新谷さんが牽引して行きました。仕切りなおしです。
戻ってきたミポリン。道産子のミポリンも雨に濡れて震えてました。
今日はここで終了。荷物を海に流してしまったので、食料や装備の総点検が必要です。これからのツアーに必要な食料は揃っているか?重要な装備は有るか?全ての荷物をカヤックから出して北浜番屋に運び込みました。海岸と番屋を何往復もします。
初日からこんなんで大丈夫か、俺ら? すでにお気楽ツアーではありません。
今夜は北浜番屋に宿泊。計画が二転三転します。リアルエクスペディションだ。うーん、渋い。
夕飯は3色丼。新谷さん料理の中でもヨネが好きなベスト3に入ります。
ひっくり返ったAKTくんは自分の寝袋も濡らしてしまいました。防水バッグに入らないのでビニール袋に詰めていたのです。かなりぐしょぐしょ。ストーブの上で乾かします。そうです。北海道は8月といえ夜はストーブが欲しい日もあるのです。特に今夜は寒い。寝袋が濡れたまま先に進んでなくてよかったねぇ。
新谷さんの救急箱。ペリカンケースに入ってます。ポイズンリムーバーや強力な軟膏など。覗いていると、新谷さんは一つ一つ丁寧に説明してくれました。うん?数珠も入ってます。(^-^;)
うれしいこともあります。北浜番屋では露天五右衛門風呂を作ったばかりで、試しても良いとのこと。これから数日間お風呂無しで過ごすので、ちょっとでもキレイな状態でスタートしときたいのが人情。 ドラム缶風呂は入ったことあるけど、釜は初めてです。
夜、新谷さんがバイオリンを弾いてくれました。見た目からはイメージできません。ちょっと驚きです。
NNBさんも興味深々。試してました。
本日のコース。。。スタートはウトロ。ゴールは北浜です。点線は陸路を車で移動した部分です。
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